ヨーロッパ最大手銀行のオフショア部門
イギリスの自治領ジャージー島を拠点とするオフショアバンク。親会社のサンタンデールSatanderはヨーロッパ最大手の金融グループのひとつ。もともとはイギリスの大手銀行アビーナショナルAbbey National Plcのオフショア部門だったが、2004年10月、スペイン最大手のサンタンデール・セントラル・イスパノ銀行Banco Santander Central Hispano(BSCH)がAbbeyを買収。2011年5月、銀行名をサンタンデール・プライベートバンキングと改めた。
VISAカード重視か金利優先か
主要口座は「ゴールド口座Gold Account」。ドル、ユーロ、ポンドの3通貨で運用でき、VISAカード(デビットカード)が無料で発行される(ポンド口座の場合、無料で小切手帳も発行される)。複数通貨での口座開設も可能だが、それぞれの口座に最低預金額(発行されるカードの種類によるが、最低7,500ドル相当額)が必要で、それを下回ると月15ドル相当額の口座維持手数料が発生する。
日本の普通預金に当たる「コール口座Call Account」も3通貨の口座がある。カードは発行されない分、オフショアゴールドよりも高金利。出金はインターネットで送金指示を出すか、小切手を発行してもらう。口座開設時に最低預金額の入金が必要(1,500ドル相当額)だが、それを下回っても手数料は発生しない。
いざという時のためにVISAカードを持っておきたい人はオフショアゴールドを、ネットでの管理で充分という人はコールを選択するのが基本。
窓口はなし。トラブル解決には中程度の英語力が必要
リテール対応の支店窓口はなく、口座開設手続きは郵送のみで完結。銀行からの連絡は手紙かEメール。顧客からの問合せや指示も電話かEメール、サインを添えたレターを利用する。このため本人確認のセキュリティはかなり厳重。コードワードCodewordと呼ばれる独特の暗証番号を登録しないと、テレフォンバンキング、インターネットバンキングともに利用できない。
VISAカードについても、間違いなく本人が受け取ったという証拠に、電話をかけて受け取った旨を伝える必要がある(これをカードのアクティベイションActivationという)。
これらの手続き以外は、通常利用の範囲では英語力を問われることはない(銀行から電話がかかってくることもない)が、トラブルがあった場合は英語での対応を求められる。
送金小切手、電信送金で入金
サンタンデールPBへの入金は、送金小切手か電信送金を利用する。米ドルやユーロの個人小切手を持っている場合はそれを利用することも可能。電信送金の受取りは無料。小切手については所定の受取手数料が差し引かれる(その他、中継銀行で手数料が発生することもある)。
小切手は金額が大きいと取立てに回され、換金されるまでに数カ月かかる場合がある。初回の入金に利用する場合は、最低預金額+受取手数料程度の金額で試してみるとよい。
電信送金に事前登録、限度額なし
ゴールド口座からVISAカードで引き出す場合を除いて、出金は基本的に電信送金で行なう。電信送金の指示はインターネットバンキングか、サインを添えたレターを郵送する。
インターネットでの送金に事前登録は不要。送金の都度、ネット上で送金先情報を入力する(情報を保存することも可能)。送金限度額もないので、口座にある資金を全額送ることもできる。送金手数料は20ポンド相当額。
インスタントアクセスや定期預金に預けるだけでも魅力
株式やファンドの取次ぎ機能はないので、オフショアファンドなどで資産を運用する場合は入出金のハブとして利用する。イギリス系のファンド会社を利用する場合、手数料無料で振込みや積立てができる。
顧客に海外在住のイギリス人が多いことから、ポンドの運用に力を入れている。なかでも最低3,000ポンドから始められる「インスタントアクセス預金口座 Instant Access Savings Account」(ポンド建ての普通預金口座)は魅力的。
定期預金は、預入期間が2、3、5年のタイプはポンドのみで、最低預金額10万ポンドと高額。その他、9カ月(ポンドのみ、最低5万ポンド)、12カ月(ポンド:最低5万ポンド、ユーロ:10万ユーロ、ドル:15万ドル)、18カ月(ポンドのみ、最低5万ポンド)など。
「ベースレートトラッカーBase Rate Tracker」はポンドのベースレート(基準金利)に連動して利息が変動する。引き出したい日に先立って通知する。90日前通知と180日前通知の2種類がある。最低預金額5万ポンド。
口座は後日追加することも可能。追加口座の開設は、口座の種類・通貨と預金方法を電話かレターで通知するだけ。電話で依頼した場合、数日で口座番号が発行される(インターネット上で新口座を確認できる)。