香港豆知識1


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日本人が目にした香港

 香港の中心部は尖沙咀(チムサアチョイ)のある九龍(カオルン)半島南端と、金融街・中環(セントラル)のある香港島北部に分かれる。これは、東京でいえば新宿と大手町、大阪なら難波と梅田のような関係で、日本人はとてもわかりやすい。

 尖沙咀のメインストリートが彌敦道(ネイザンロード)。ペニンシュラホテルを定宿にするお金持ちから安宿を泊まり歩くバックパッカーまで、あらゆる人種、あらゆる階層の人々が集まる一大繁華街だ。ここから北に佐敦(ジャーディン)、油麻地(ヤマティ)、旺角(モンコク)などの下町が続き、このあたりが日本人のイメージする典型的な香港だ。はじめて香港の屋台街を目にした時の驚きは、沢木耕太郎の『深夜特急』など、多くの紀行文に登場する。

 1980年代の円高とバブルの時期から、香港に高級ブランドを買いに行く若い女性が増えてきた。彼女たちの目当ては、高級ブランドショップが軒を並べる中環周辺のショッピングセンターだ。その代表が、香港上海銀行本店の並びにあるランドマーク(置地廣場)。グッチ、フェンディ、ヴィトン、プラダなどの一流ブランドをずらりと揃え、ペニンシュラのショッピング・アーケードと双璧をなす。

 老舗よりも新しいブランドに興味があれば、金鐘(アドミラルティ)のパシフィック・プレイス(太古廣場)や銅鑼湾(コーズウェイベイ)のタイムズ・スクエア(時代廣場)などの巨大ショッピングセンターも人気だ。

 ところが最近は、ブランドショッピングもかつての神通力を失ってきた。日本はデフレで物価が下がり、米ドルにペッグする香港ドルは割高なままなので、1ドル120円前後の為替レートだと、同じブランドなら日本で買った方が安かったりするからだ。

 香港の下町を愛するバックパッカーも、ブランド目当ての女性たちも、“金融シティ”としての香港のもうひとつの魅力には気づいていない。香港の金融機関を自在に利用できるようになれば、あなたもこの街のもうひとつの顔を知ることができるだろう。

香港名物100万ドルの夜景


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