ゴミ投資家のための世界のインターネットバンクがわかる本

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インターネットバンクも選べる時代

 本書は、私たち日本人でも比較的簡単に口座開設ができるオフショアバンクを中心に、インターネットを利用したオンラインバンキングに力を入れている銀行とそのサービスを紹介したものである。

 オンラインバンキングOnline Bankingとは厳密には、企業と銀行間の取引である「ファームバンキングFirm Banking」と、消費者個人と銀行間の取引である「ホームバンキングHome Banking」の総称だが、ここでは私たち消費者と銀行間との取引を指している。

 オンラインバンキングの最先端は、なんといってもアメリカ。ネットワーク技術の高度化に伴い、インターネットの最大の難点であったセキュリティの問題を、暗号化ソフトやセキュリティ・システムの開発によってクリアし、現在ではアメリカ国内の金融機関100社以上が、オンライン・サービスを展開しているという。バンク・オブ・アメリカBank of America、シティバンクCitibank、ウェルズ・ファーゴWells Fargoなどの大手銀行でも、インターネットバンクとしての地位を確立したところも多い。

 アメリカから遅れること数年。今ようやく、オンライン化という大きな波が、オフショア金融センターや香港、そして日本までをも飲み込もうとしている。

 私たちが海外投資を実現するうえで、インターネットは最大の武器ともいえる。距離的な問題、時間(時差)的な問題、そして最大の問題である言葉の壁、そうしたすべての問題を、インターネットは解決してくれるからだ。

 ご存知のとおり、アメリカ国内の銀行に非居住者(社会保障番号SSNをもたない者)が口座を開設するのは非常に難しい。したがって、私たち日本人が海外に銀行口座を開こうとすると、オフショアおよび香港・シンガポールの銀行を利用するしかない。こうした銀行が相次いでオンライン・サービスを開始したことは、まさに朗報だろう。

 今回紹介した5つの金融機関は、私たち日本人にとって口座の開設が容易であると同時に、オンライン・サービスという点でも比較的進んでいる銀行である(銀行ではないが、日本からでも簡単に口座を開くことができるアメリカのオンライン証券会社Datekのバンキング機能もここに含める)。 以下、簡単にそれぞれの特徴を紹介してみよう。

Fsharp
イギリス領オフショアのひとつ、マン島に籍を置くオンライン・サービス専門銀行(窓口業務はなし)。非居住者専用のオフショアバンク。格安で為替(FX)取引ができるほか、デビットカードはもちろん、クレジットカードの入手も比較的容易。最低預金額は5,000ポンド相当額(約85万円)。オンラインから口座開設手続きも可能。

香港上海銀行
イギリス最大の金融コングロマリットHSBCグループの旗艦銀行で、香港の発券銀行も兼ねる。主要口座はPowerVantageで、香港ドル建てのATMカード、小切手が利用できるほか、オフショアファンドや香港株の購入も可能。2000年8月、オンライン・サービスがスタート。テレフォンバンキングも利用可。PowerVantageの最低預金額は1万香港ドル(約15万円)。口座開設手続きは香港の窓口で行なう。

HSBCインターナショナル
英国領オフショアのジャージー島に籍を置くHSBCグループのオフショアバンク。デビットカードと小切手帳がつくOffshore Bank Accountは米ドル、英ポンドで利用可。最低投資額はそれぞれ2,000ドル、1,000ポンド(約17万〜24万円)。2,000ドルで米ドルのデビットカードが入手できるのはここだけ。2000年11月オンライン・サービスがスタート。テレフォンバンキングも利用可。口座開設手続きはオンラインからも可能。

シティバンク香港
オンライン・サービスのシステムが日本のシティバンクともよく似ているので使いやすい。基準通貨は香港ドルだが、米ドルでのサービスも利用できる(ただし、ATMカードおよび小切手は香港ドルのみ)。最低投資額は、3万香港ドル(約45万円)。それを下回ると手数料が発生する。口座開設手続きは銀行窓口で。日本のシティバンクとは別法人。

Datek(バンキング機能)
アメリカのオンライン専門証券会社。株式取引に関するサービスの質の高さはいうまでもないが、口座に資金を預けておくだけで2〜3%程度の金利がつくほか、小切手帳も発行される、オンラインから送金指示が自由に出せるなど、バンキング機能サービスも充実。最低預金額500米ドル(約6万円)。日本でも利用者が多いE*Tradeにも同様の小切手発行機能がある(E*Trade BankはSSNがないと口座開設不可)。


 これまでは口座開設の容易さなどからケイター・アレン銀行Cater Allen Offshore(現アビィナショナル銀行Abbey National Offshore)を主に紹介してきたが、オンライン・サービスの普及によっていよいよ私たちも、自分の投資スタイル、口座の利用法、目的などによって海外の銀行を選択することができるようになってきた。各銀行(証券会社)とも、特徴がかなり明確になっているので、それらを充分に比較検討したうえで、自分の目的にあったところを選ぶといいだろう。

 必要な情報は、各銀行のホームページ上にすべて掲載されている。もちろん英語だが、翻訳ソフトを利用しながらでも、じっくり時間をかけて読んでみよう。

 自分にあったインターネットバンクを見つけて口座を開設したら、まずは徹底的に活用してみることだ。日本のシステムとは異なる部分も多いので戸惑うこともあるだろう。しかし習うより慣れろ。これが基本だ。

 本書があなたのインターネットバンク選びの一助となれば幸いである。

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