ゴミ投資家のための金融シティ香港入門

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香港の魅力は買い物と中華料理だけじゃない

 これまで日本で出版された香港のガイドブックがいったい何冊あるのかは知りませんが、おそらくその数が100種類を下回ることはないでしょう。その中には、貧乏旅行者向けのガイドブックもあれば、超豪華な中華レストランや高級ブランドショップを詳細なマップ付きで紹介したりするものもあります。香港返還を間近に控えた1990年代半ばには香港ブームが頂点に達し、映画やポップス、アイドル事情、さらにはハッカー御用達の「電脳中心(コンピュータ・センター)」を大特集する本まで登場しました。

 ところが、一見、研究しつくされたかに見える香港ですが、これまでなぜか、香港の金融機関を使いこなすための実践的なガイドブックは一冊もありませんでした。一時期、「香港上海銀行に外貨預金口座をつくろう」という本が話題になりましたが、残念なことにこの本には、自分の口座をどのように管理・運用すればいいのかは書いてありませんでした。これでは、せっかく口座をつくっても宝の持ち腐れです。

 本書は、個人投資家の視点から、“アジアの金融センター”香港の活用法を具体的に紹介した、はじめての本です。本書をお読みいただければ、誰でも銀行口座を開設し、香港市場で株式を売買し、あるいは世界中のオフショアファンドを自由に購入できるようになるはずです。

 これまで「ゴミ投資家」シリーズでは、ヨーロッパのオフショア・バンクにメールオーダーで銀行口座を開設したり、アメリカのオンライン証券会社を利用して米国株を売買する方法を紹介してきました。しかし実は、これまでの試みには、ひとつだけ不満がありました。それは、自分が利用している金融機関をこの目で見ることができない、ということです。

 その点、日本人にもっとも身近な観光地のひとつである香港は、私たちが気軽に銀行や証券会社を訪ねることができる、数少ないオフショア金融センターでもあります。そうであれば、こんな素晴らしい機会を利用しない手はありません。

 香港で資産運用するいちばんのメリットは、銀行預金の利子や株式の配当、株式の売却益などにいっさい税金がかからないことです。もちろんこの中には日本で税務申告しなければならないケースもありますが、合法的に無税の特典を享受できる場合もあります(詳細は『税金天国入門』などを参照)。

 香港では、オフショアファンドやヘッジファンド、オフショア生命保険など、日本からではアクセスすることすら難しい魅力的な金融商品を簡単に購入することもできます。

 さらに、香港の金融機関を利用すれば、“世界標準”の金融サービスがどのようなものか、身をもって体験することもできます。片言の英語さえ話せれば、いろんな金融機関を訪ね、顧客カウンターで相談や質問をすることもできますから、見たこともない銀行にメールオーダーで口座をつくるよりもずっと安心感があるでしょう。その意味で香港は、“海外投資初心者”には格好のウォーミングアップの場かもしれません。

 香港のもっとも代表的な銀行が香港上海銀行ですが、パワー・バンテージPower Vantage口座を開設すると、香港ドル預金のほか、USドルや日本円をはじめとする外貨預金、オフショアファンド、個別株式、さらには金(Gold)まで、日本からでも電話一本で売買することが可能になります。銀行が、証券会社や商品会社の機能まで持っているのです。当座預金もセットになっていますから、小切手帳もその場で発行されます。

 香港上海銀行から送られてくるステートメントは、預金や株式、ファンドなど、すべての金融商品の残高や明細がひとつの口座にまとめられ、一覧できるようになっています。最初は正直、びっくりしましたが、今にして思えば、驚愕すべきなのは、こんなこともできない日本の金融機関のほうでした。

 本書は、お読みになったみなさまが実際に香港の金融機関を自在に活用できるように、徹底的に実用的につくられています。買物と中華料理だけが香港の魅力ではありません。本書によって、香港のまったく新しい魅力をお伝えできたならば、こんなうれしいことはありません。

Have a good time in Hong Kong!

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